第85章 中山紗奈の選択

「俺、会社を立ち上げたんだ。あとで案内する。手伝いたいと思うなら残ってくれ。合わないと思ったら、いつでも出ていけばいい。十年だなんだって約束は、最初からいらない」

「お前が自由を必要としてるのは分かってる。行くも残るも、お前の意思だ。俺が縛る権利なんてない」

「それに、恩返しならもう十分だ。龍血草の情報を掴んでくれた。それだけで俺は救われた。お前の選択は尊重する。もしここに残ってくれるなら、いつ辞めてもいい。お前はずっと自由だ」

工藤達央は中山紗奈を見て、ふっと微笑んだ。

中山紗奈は言葉を失った。胸の奥が、じんわり温かくなる。

工藤達央は中山美由を救ったことを盾に、何かを要求するこ...

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